Melodyne二題

Melodyneは分析が大事、という話です。

プレスコの修正

主に合唱部分を録音して、生で歌っているのにちょこっと足して迫力とか人数感とかをかさ増しするのに使っています。

舞台を重ねるにつれて本人たちはだんだんうまくなっていくのに、録音したものは稽古当時のままです。だんだん使いたくなくなる。

で、Melodyneの出番です。うまくすることはできないけど、音程、タイミング、音量など細かく修正できます。

録音したwavファイルを開くと分析が始まります。
必要ならアルゴリズムを変更します。

ヘッドホンモニターで録ったソロボーカルならすぐ修正作業に入れますが、今回はモニタースピーカーを鳴らして合唱一発録りなので、適宜、分析しながら進めます。

これが通常の編集モード。

ノートアサインメントモード(分析)に入ります。

スライダーの上限を最大にすると...

 マウス周辺の音のある場所が雲で、ノート候補が透明のノートで表示されます。
楽譜を見ながら、あるべき音を捜し出して実体化したり、別のところに取り込まれちゃってる音を開放してあげたり...というようなことをします。

ちなみに、ビブラートは二つの近接した音として認識されます。
後ろのうすい雲の波がそれです。分ります?
 これは無理矢理ピッチを修正しないほうがいいです。

この分析の後、ピッチ修正をしました。
タイミング、音量の修正はこれでWAVに書き出した後、別のDAWで。

Bassの音量だけ下げる

バラードから入ってだんだん盛り上る構成の曲があるのですが、なぜかベースだけ、静かな時から大きい。

Melodyneで分析してみると、始まりのバラード部分も後半の盛り上った部分もほぼ同じ音量でベースが入っているのが分ります。そりゃ大きいわ。

作曲家先生「曲がそうなっちゃってるから仕方ないけど、もしできるなら下げておいてくださる?」
で、
他の楽器の音量、音色をなるべく変えずに、静かなところのベースの音量だけ下げてみます。

赤いところがベースです。
これを音量ツールで下げればよいのですが、ノートを検聴してみると、パーカッション類やパッドなどが相当含まれていることが分ります。これをそのままは下げられない。

画像中央に三本、下に二本長いノートがあります。これは前述のノートアサインメントモードで無理矢理作りだしたノートです。
雲を見てパーカッションがありそうな場所をダブルクリックして作り出し、左右に延ばしました。
ベースと倍音関係になく、作った時にベースが「やせない」のがポイントです。
ここにパーカッション類をなるべく含ませて、ベースの音量をいじった時の影響を小さくします。

この後、音量ツールでベースを6dBほど下げていい感じになりました。


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